1999年10月19日 全日本金属情報機器労働組合、同・日産自動車支部
(1)10月18日、日産自動車のカルロス・ゴーン最高執行責任者は東京都内のロイヤルパークホテルにおい て、内外の報道関係者を集め、「日産リバイバルプラン」を発表した。
この内容は、日産自動車をはじめ日産圏の労働者に対しても同時放送・同時通訳で伝えられた。
「日産リバイバルプラン」は作成から発表にいたるまで、すべての点で労働者不在のものであった。
私たちは、9月21日に申し入れた「経営革新要求」のなかで、「日産リバイバルプラン」の内容に労働組合の意見を採り入れることを求めたが、会社は「経営の決定すべき事項について事前に労働組合と協議することはない」と拒否し、「日産リバイバルプラン」発表後に労働組合に説明すればすむとの態度をとり続けた。
(2)発表された「日産リバイバルプラン」は、工場閉鎖を含む労働者に大きな犠牲を押しつけるものであった。
@2001年3月末までに3つの車両組立工場および2002年までに2つのパワートレイン工場での生産を中止し、他工場に集約する。
A現在取引を行っている1,145社におよぶ部品メーカーを、2002年3月までに600社以下とする。また、購買コストを3年間で20%削減する。
Bグローバルな人員規模を現在の148,000人から2002年末までに21,000人削減する。その方策として、自然退職やパートタイマーの活用とあわせて、早期退職制度により達成する。
C日本国内では、実績に基づく昇進制度を確立する。また、管理層に対する実績重視の報酬制度を2000年に創設する。
(3)今回の発表をみただけでも、次のように働く労働者はもちろんのこと、下請関連企業や地域経済にも重大な悪影響がもたらされることは明白である。
@日産自動車村山工場や日産車体京都工場などの閉鎖される工場に働く労働者は、栃木、追浜あるいは平塚などの通勤不可能な工場に転勤せざるをえず、退職に追い込まれるなど多大な犠牲を余儀なくされる。また、「早期退職」による人減らしも強まることになる。
A部品メーカーは国際的なコスト競争に巻き込まれ、部品メーカーの経営は根底から見直しを迫られる。その結果、再編淘汰による倒産・廃業に追い込まれ、部品メーカーとそこに働く労働者の生活を破壊する。
B工場周辺地域の商工業者の営業および地域経済と地方自治体の財政に重大な悪影響をおよぼすことになる。
(4)日産リバイバルプランの最大の問題点は、これが日産の収益向上策のみに主眼をおいたものであり、こういう事態を招いた「経営責任」と「企業の社会的責任」についてまったく触れていない点である。
「経営責任」、「企業の社会的責任」とは、そこに働く労働者の雇用を守ること、巨大企業にあっては関連企業を含めた経営と労働者の雇用をも守ること、および立地する地域にあっては、地元自治体、住民および商工業者と協調することである。
今回のプランは、それらすべての点を乱暴に踏みにじり、みごとなまでに責任を放棄したものと断じざるを得ない。
(5)私たちは以上の立場から、日産の経営責任をきびしく追及していく。労働者の声を無視し、一方的なトップダウンの経営方式がこれらの経営問題を引き起こしたという点から、私たちは今後の施策に労働者の意見を十分に反映させることを求めるものである。
とりわけ、日産に働くすべての労働者の雇用保障を強く求める。「雇用保障」とは
@人減らしをしないこと。
A家族とともに安心して働き続けられること。
Bこれまで培ってきた労働者の技術・技能・経験を生かせること。
C労働条件の維持・向上をはかるもの
でなければならない。
私たちは、労働組合の立場から、日産に働くすべての仲間と多くの関連企業や地域の仲間と力を合わせて、日産自動車および関連企業労働者の雇用および家族を含めた生活を守るためにたたかうものである。
(6)私たちは、日産自動車に対し直ちに団体交渉を申し入れ、今後も日産の経営計画の情報開示をさらに求めるとともに、このリバイバルプランの全面的な再検討を要求するものである。
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